阿弥陀岳北稜 厳冬期アルパインクライミング

2011年1月2日~3日   メンバー 高橋・青木・宇都   記)高橋

1月2日 美濃戸口

7:30 南沢 行者小屋 11:30

元旦、メンバーと西宮で合流、夜八ヶ岳へ向け出発。幸いにも予報では冬型も緩み、天候も安定する様子。午前3時頃に美濃戸口に到着。駐車場にテントを張って仮眠。5時すぎ起床。早速、お湯を沸かそうとコッフェルをあけると、なんだこりゃー得体の知れない物体が。よく見ると前回αルンゼに行った時の食べかけの焼き鳥缶がカビてすごいことに。メンバーにどん引きされながら雪でコッフェルを洗い気を取り直し(笑)ごはんを食べる。ごめんなさい。

7時半美濃戸口出発。去年、宇都君が普通車で大苦戦しながら入った道は雪が積もって走り易そうだったが、二駆でスタッドレスのみでは厳しいかなとなどと思いつつ、歩くこと1時間で美濃戸山荘着。ここでアイゼンを履き南沢を登る。宇都君はいつもの調子で元気である。青木君は買ったばかりの80リットルのザックで、重荷を背負うのは初めてとは思えないほど足取りは軽かった。自分は、冬の重装備に息があがり、毎度のことながら苦戦。二人がペースに合わせてくれ、結局4時間ほどかかって行者小屋に到着。

当初の予定の赤岳ピストンは時間的に難しいと判断しテント設営後、のんびりくつろぎ、それから宇都君と明日に備えてスタンディングアックスビレーの練習をした。日が落ちるころには冷え込みが厳しくなってきた。今回、寝袋を新調したのだが、朝には軽く凍りついて冷凍庫のなかにいるのかと思うほどで、想像していた以上に寒かった。

1月3日

行者小屋7:10 第2岩稜8:45 頂上11:15 下山開始11:45 行者小屋12:25 行者小屋13:40 美濃戸山荘 15:15 美濃戸口 16:20

朝4時過ぎに起床、満天の星空だった。風もなく登るには絶好の日和かなと思いつつも寒すぎる。しばらく外にいると手足が痛くなり感覚が麻痺してくる。小屋に電気がつき、入口のストーブに火が入ると早速、温まりにいく。すごくありがたい。昨日の昼過ぎくらいから、青木君の体調が悪く、肩こり?高山病?からか頭痛がひどい様子。朝食後、確認してみるとなんとかいけそうとの言葉に、7時すぎ出発。

第1岩(雪)稜

しばらく文三郎道をたどると夏道との分岐があり、そこから中岳沢をつめる。途中尾根にあがっていく踏み跡を青木くんがみつけたが、もう少しつめてみようと進むが尾根から遠ざかる感じで戻ることにする。踏み跡をたどり尾根にあがるとトレースがはっきりついていて前に別のパーティがみえ迷うことなく第1岩稜へ。振り返るとジャンションピークがみえ、周りの景色も一気にひらけた。岩稜は雪に埋もれ急な雪稜だがピッケルを突き刺し、灌木をつかみながら登る。登りきると本でみた核心の第2岩稜がみえた。
第2岩稜

1ピッチ目、岩の左側から登る。少し緊張していたが手・足を落ち着いて探すとみつかり、残置のヌンチャクもあり特に問題なかった。不動岩での練習の方が、かなり難しく怖く感じた。

2ピッチ目、草付のスラブでピッケルを突き刺し登りきると傾斜の緩い雪稜を途中のピナクルをとばしハンガーのある岩場まで。

3ピッチ目、階段状フェースを登りきるとすごく短いが絶対踏み外したくないナイフエッジ。慎重にわたり雪壁少しを登る。緩傾斜地でスタンディングアックスビレーと思いきや、予想に反して雪に埋もれた灌木から残置の支点がみえ強度も問題なさそうなのでそこでビレーして核心部終了。
宇都君・青木

あとは5分ほどで頂上着。岩場でしんどそうだった青木くんも復活してくれて一安心。3人で握手をし、記念撮影。無事登れた嬉しさがこみあげてくる。見晴らしは最高だが寒いので30分ほどで下山開始。頂上から中岳のコルはまでは結構急なので慎重に下る。当初の予定では文三郎道を下る予定だったが中岳沢の雪の状態がよさげなので中岳沢を小屋まで一気におりる。しばらく休憩し、テントを撤収し暗くならないうちにと来た道を早々に下山。

阿弥陀岳頂上にて

赤岳

北稜は日当たりがよく今回、風も穏やかで登っている時は寒さを感じることがなかったです。天候次第では今の実力では登ることは難しかったと思います。人も沢山入っている様子で、北稜だけでも5パーティくらい。バリエーション入門ですが、初めての体験も多く良い勉強になりました。課題は山積みですが練習することで少しずつでも克服していきたいです。最後にメンバーの青木君・宇都君と力を合わせて、楽しく登れたことに感謝。