南会津 大戸沢岳 南東尾根

南会津 大戸沢岳 南東尾根(仮称)より
2010年3月13日~14日   金田 晏  小嶋勝俊

以前から会津駒ケ岳へ登るたびに下ノ沢を隔てて大戸沢岳山頂から南東に落ちる気になる支尾根があった。その尾根は会津駒への尾根と滝沢橋を基点に 下ノ沢を挟んでV字型に広がり双方の山頂は吊り尾根で繋がっている。地形図を見る限りではスキー滑降できそうである。大戸沢岳の山頂から北東の支尾根は山 岳スキーのメッカで最近は登る人も多くなっているが南東尾根(仮称)を登った記録や話を調べたが見当たらず取り付き点も判らないので偵察山行の計画を立てた。

3月13日(土) 曇り後雨
檜枝岐村の滝沢橋に至近の今夜の宿「駒口」に駐車させてもらい、最近の天候状況を聞いて8:20登山口を出発。下ノ沢に架かる小橋を渡らず石垣の端か ら上の台地に上る。尾根末端のほぼ正面の杉林の浅い谷にルートを取って・1207を目指す。最近は降雪なしと聞いた通り雪は締まっていてラッセルなしで助 かる。薄暗い杉林を抜け右上して・1207に9:20着。
ここから1524.1の三角点ピークへコンパスで方位を定めミズナラやブナの広い尾根を登って同 ピークに10:37着。見通しの利くピークだが尾根の上部は垂れ込めてきた雲に閉ざされて見えない。尾根は狭くなるが平坦で北東面(進行方向右側)に雪庇 があり上部のブナ林帯の大斜面へと続く。雨もポツリポツリと降りだしたが時間も未だ早いので本降りになりだしたら下山することにして、上部のルート偵察 に・1738を目指す。所々目印の赤テープをつけながらブナ林帯の大斜面からシラビソの針葉樹林帯へと高度を上げる。
天候も寒冷前線の通過中か霙混じりの 雪となり風も強くなって来る中、・1738に12:07着。天候も悪化してきたので今日はここまでにして下山することする。頂上までの標高差350mだが明日のお楽しみに残して12:35滑降開始。締まり雪の上に積もった雪で快適な滑りで13:49 滝沢橋に下山。村は雨になっていた。民宿「駒口」に投宿、外湯の「駒の湯」の露天風呂でのんびりと長湯を楽しむ。

3月14日(日) 快晴
7:00滝沢橋出発。杉林の上部で雪面が氷化してきたのでスキーアイゼン着装。途中で相棒が宿の他の宿泊者の靴を間違えて履いてきてしまったことに気づき取替えに戻るというハプニングもあったが順調に昨日の到達地点・1738に11:45着。
右眼下の上大戸沢でへだてられた北東尾根には数パーティの人影が見える。山頂へは上大戸沢側の雪庇に注意しながらさしたる問題も無く少し狭いが無 木立の尾根を辿って13:28大戸沢岳(2089m)山頂着。360度の展望!素晴らしいの一語!14:00滑降、下山開始。雪質は尾根の上部は堅雪、中 腹はモナカ雪、下部はザラメ化一歩手前の雪で慎重な滑りを強いられ、16:00滝沢橋下山。パウダー時期に滑れば楽しめるルートと一つになるだろう。樹林 帯の滑降も木立間も広く思いのルートで滑れて楽しめるだろう。

記   金田