藻岩山~手稲山~ニセコアンヌプリ~ワイスホルン 山スキー

山行日
-
山域、ルート
藻岩山~手稲山~ニセコアンヌプリ~ワイスホルン
活動内容
山スキー
メンバー
金田 晏(記)

藻岩山~手稲山~ニセコアンヌプリ~ワイスホルンを滑る 北海道パウダーな山スキー旅

1月22日(木) 曇  藻岩山(531.03m)

札幌駅構内の観光案内所で足馴らしに「一番近いスキー場は?」と聞くと地下鉄で20分で行ける藻岩山スキー場を教えて貰う。12時,駅前のホテルにチェックインしてスキーウエアに着替え都会の雑踏の中を地下鉄に飛び乗り真駒内駅下車。

バスは1時間も待つのでタクシーで10分のスキー場に13時20分着,シニア4時間券2000円を買ってガラ空きのゲレンデへ。滑っているのは体育授業の中学生だけ。ゲレンデの上に出ると眼下に札幌の町並が広がる。

そしてうれしいことに何と圧雪されていない無垢の広い斜面が残っているではないか!!しかもパウダースノーだ。感激の声を挙げて斜面に飛び込む。最大斜度38度はまさに落ちる感じ。何度か滑ったあと山頂行きの観光リフトを利用して藻岩山山頂にある展望台に登る。山頂からは札幌市街が一望できる。

スキー場に滑り戻るとナイター照明が灯り夜景を眼下に見ながらの滑降となる。午後6時ともなると会社帰りの人や家族ずれのスキーヤーでゲレンデも賑やかになり,まさに市民のスキー場といった印象を受けホテルへ帰る。

藻岩山より札幌市街を望む
藻岩山より札幌の夜景

1月23日(金) 快晴  手稲山(1023.7m)

今日から3日間つき合ってくれる山スキーで知り合った札幌在住のKさんの車で9時札幌を出発,札幌郊外の手稲山に向かう。途中,Kさんの友人でスキーがやりたくて自ら会社に北海道転勤を望んで来たという女性達も加わって賑やかになる。

近づくにつれて山頂付近に電波塔の林立する手稲山が見えてくる。樹林に覆われた街の裏山といった印象。10時30分,テイネハイランドスキー場着。全員ビーコンを装着して標高800mまでリフトで上がりゲレンデとは反対の小高いピークへ。

南に遠く恵庭岳,手前が札幌岳とKさんが教えてくれる。Kさんが先陣を切って滑降する。あっという間に林間を滑り下って下から「イイ雪よ。どうぞ!!」と叫ぶ。滑り出しは身体が緊張する。が最初のターンで雪の抵抗感がなくスムースに板が廻るとその緊張感から解放され身体が宙に舞う。

木立の少ない一枚バーンや白樺の林間を滑り谷沿いの林道を下って西野の住宅街でゴール。Kさんの友人が回送してくれた車でスキー場へ戻り,もう一本パウダーの誘惑に負けて同じルートを600mのダウンヒルで遅いお昼にする。

午後はメインリフトで山頂直下まで上がり午前に滑ったルートと長峰沢川を挟んで一本南の尾根に滑り込む。広い緩傾斜の尾根を斜滑降気味に下り開けたバーンや35度を超える急斜面ありの変化に富んだルートで平和の住宅街(西野の隣町)に15時40分下山する。札幌近郊の山で予想外の素晴らしいパウダーに恵まれ大満足の一日だった。17時ホテル帰着。

1月24日(土) 曇り 山頂付近は雪 ニセコアンヌプリ(1308.5m)

ニセコアンヌプリ

8時Kさんの車で札幌を出発,高速道で小樽経由ニセコ町に向かう。昨日のスキー大好きの彼女達もニセコで合流するという。ニセコアンヌプリスキー場に10時30分着。全員ビーコンを装着し先ずは足慣らしにゲレンデを一本滑るべくゴンドラで上がる。ニセコ=パウダーのイメージがあったので期待してゲレンデトップに立ったが雪不足でカリカリの斜面にがっかりする。

二本目はゴンドラ,リフトと乗り継いで標高1150m辺りから滑降禁止区域外へ素速くロープをかいくぐって大沢(アンヌプリ頂上から南西面に落ちるひらけた沢)へトラバースする。支尾根を乗越っこして大沢のブッシュの少ないところを選んで滑降する。雪質は重く余り快適なスキーが出来ない。午後は最上部へ行くリフトに乗り継ぎ20分ほどスキー担荷で頂上に立つ。

あいにくの雪で眺望はゼロ,頂上には避難小屋がある。滑降は大沢の雪の着き具合が余り良くないので反対側の北東斜面を下ることにする。出だしは40度はあろうか急斜面だ。しかもガスが掛かっていて視界が悪い。Kさんが気合いを入れて先陣を切る。 下からコールがあり続いて急斜面を慎重に下るとガスが切れ彼女のいる樹林帯へ滑り込んであとの人達を待つ。雪質は重くパウダーとはほど遠い。山腹を回り込んで駐車場へ戻り今日の行動を終わる。

ニセコ町の温泉で汗を流し宿泊先のペンションへ向かう。夜はペンションの奥さんの手料理とコンビニで仕入れたお酒で楽しい酒宴になる。

1月25日(日)  快晴  ワイスホルン(1045.8m)

朝食時Kさんから提案があり「アンヌプリの雪が余り良くないのでパウダースノーを求めてワイスホルンでキャットスキーをしましょう。たぶんここより雪はイイと思うのよ,皆さんいかがですか...?」

ワイスホルンはニセコ連山のイワオヌプリの北に在るなだらかな山容の山でWeisshorn「白い山」の意でスイスのワイス州にちなんで付けられた名称で国土地理院の地形図にもその名称が載っている。このスキー場はスキー客の減少でリフトの運行が財政的に困難になり雪上車でお客を運ぶという俗にキャットスキーということで売り出しているそうである。

パウダーを滑りたくてニセコに来たのだから全員彼女の判断力を信じて賛成し8時30分ペンションを出発する。9時ワイススキー場着,全員ビーコンを着装してキャットに乗り込む。登るにつれて前方に純白のワイスホルンが紺碧の空をバックに見えてくる。

振り返れば羊蹄山,左にニセコアンヌプリとイワオヌプリと素晴らしいロケーションだ。

羊蹄山(ワイスホルンより)

誰かが「今シーズンはどこへ行ってのお天気に恵まれついてる!!」と云っているのが聞こえて来る。私はそう言う人とたまたまご一緒出来た幸運と山の神様に感謝する。キャットは標高920mまで運んでくれる。頂上までの標高差は僅か126mだ。上に行くのは我々だけ,稜線は締まっているので板を担ぎながらゆっくり登る。

一本目は頂上の手前からのスタートだ。無垢の斜面に自分のシュプールを描く。白いキャンパスに自分の心を描く。極上のパウダーに歓喜の声が上がる。何と昼食をはさんで6回も頂上往復する。標高差525m×6=3150mを滑り降りたことになる。今朝の彼女のナイスジャッジメントに賛辞の拍手を送って三日間のパウダーな山スキー旅を終える。

ワイスホルンをバックに
ワイスホルンの稜線越しに日本海岩内港