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甲斐駒ヶ岳の岩場

1995.09.09〜09.13 堀田 久

(ダイヤモンドフランケA赤蜘蛛ルート→ダイヤモンドフランケB赤蜘蛛ルート)
メンバー 堀田 久、三浦(友人)

 夏に続き、秋も南アルプスの岩場となる。
9月9日、夜行列車で行く。

9月10日、雨、駒ヶ岳神社で拝んでから、雨の黒戸尾根を登る。今回は、スタミナの必要な登山なだけに、岩の練習以外に出来るだけ長い距離を美ケ原などもまじえ、走っておいた。八合目の岩小屋からAフランケへの下降は、足場が臣岩でポッカリ開いてたりして気が抜けない。Aフランケの頭は、不明。フィックスロープにつられて、右寄りに下ると、Aフランケの真下に出てしまい、左にもどり、結局、緩い斜面の岩場を懸垂下降で下り、Aフランケ下の岩小屋に着いた。霧が晴れると彫刻刀で削った様な、灰色の岩壁(Aフランケ)が姿を見せた。見慣れると、それ程威圧感は無い。その夜は、岩小屋のなかにツエルトを張り泊まった。パーティは、我々だけである。

9月11日、今日も雨のため、たき火などをして岩小屋で過ごす。

9月12日、好天となり、明るくなってから谷への転落に気をつけ、赤蜘蛛ルートを目指し向かう。ツルベでA1とフリーで登る。フリーは、傾斜は、急だが、練習は十分出来ていたので、難しいものでは、なかった。A1の6ピッチ目にハーケンを打ちたした。写真で見たドリュー西壁のアメリカンダイレクトの様な、すっきりした岩壁でした。休まず、Aフランケの頭からBフランケ赤蜘蛛ルート目指し、ガリーを下る。途中、チョロチョロ流れる水をゴムチューブを利用し補給する。左よりの足場の悪い取り付きからA1で始まる。第1バンドまで登り、右に大きくトラバースし、太い木にビレーし、ビバークする。色々なことを考える。

9月13日、とにかく草付きの、ひどいルートをフリー、A1で登り八丈バンドに出る。登って、岩小屋、そしてほどなく、8合目に出た。この岩壁は、ガイドブックに悪いと書いてあったが、予想以上に悪く、野原を立てた様なピッチもあり、危険なだけであった。もったいない様な好天のなか、対照的な2つのクライミングを終え、日程の都合で赤石沢奥壁左ルンゼを残し、八ヶ岳を見ながら、誰もいない甲斐駒ヶ岳を下山した。今回、反省点も多く、自分で整理し、克服していきたいと思います。



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