楊梅の滝 大滝登攀 沢登り

山行日
山域、ルート
楊梅の滝
活動内容
大滝登攀 沢登り
メンバー
OKD、岩瀬た、YS

こんにちは須川雄です。最近、急に肌寒くなってきましたが比良の楊梅の滝にOKD、岩瀬た、須川雄の3人で行ってきました。比良山の楊梅の滝は、滋賀県で一番落差のある滝で雌滝(15m)、薬研の滝(21m)、雄滝(40m)の3つの滝で構成されています。1554年に足利義輝が楊梅の滝(ヤマモモノタキ)と名付けました。今では音読みで(ヨウバイノタキ)と呼ぶのが一般的です。沢登り歴は長いですが、初めての大滝登攀で緊張しましたが痺れるクライミングができましたので報告します。
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楊梅の滝 大滝登攀 沢登りの山行記録

10月8日

  • 8:00 北小松登山口駐車場発
  • 8:10 楊梅の滝
  • 13:00 獅子岩
  • 14:30 北小松駐車場

早朝に神戸を出発し、JR北小松にある大津市比良げんき村の奥にある北小松登山口に駐車。沢装備を整えて出発。登山道を5分ほど歩くと雌滝に到着、アプローチが短く体が温まっていない。雌滝は15mと短いが、傾斜もありスタンスも少なくヌルヌルして登れる気がしない。自分の判断基準なら迷わず巻く滝だが、岩瀬たさんがリード。釜を数メートル泳いで取り着く、左岸を登るが出だしに足がかりがないので難しい。木の根っこを掴みながら上る。私はセカンドで登るがフェルト靴が滑り手も足も出ない。腕力で何とか登りきることができたが、予想していたより難しく前途多難で意気消沈する。
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雌滝を超えると薬研の滝に続く。事前情報によると熟練者ならロープ不要と聞いていたが、それは水線から外れた左岸を進んだ場合。水線を進むとホールドスタンスともに乏しく難しい。セカンドでも登れず、ユマーリングで手がかりを作りながら、何とか突破するしかなかった。
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お次が、本沢のメインの雄滝。ここでOKDさんがリードを交代。最近雨が降っていないので、水量は少なめだが40mの滝の迫力は凄まじい。左岸から取付く。途中でリングボルトが数か所入っている。出だしはスタンスもあり、雌滝や薬研の滝よりは登りやすい。滝の中央を直登するルートをとっているので、全身ずぶ濡れになりながら登る。途中から右岸にトラバースする。このトラバースがいやらしい。水線から外れてクラックを超えて、立木のあるテラスへ。このピッチはセカンドであれば何とか登れるグレードで楽しめた。しかし水量が多ければ手も足も出ないと思う。季節的にかなり寒かったが、大滝をシャワークライミングしながら登る快感は今までになくクレイジーだがクライミングハイ状態になり興奮する。
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大滝最終の雄滝2ピッチ目、岩瀬たさんがリード。立木のテラスまで登ってきているので、水線まで横切るのが困難。このまま巻いてしまうルートもあるようだが、逃げないで水線まで戻り、果敢に挑戦を選ぶ。トラバースがスタンスもホールドも少ないうえに、ツルツルと滑るので困難を極める。寒さと恐怖で震えながら、岩瀬たさんのリードを見守る。危なげなく一歩一歩着実にスタンスを決めていき、途中で足を大きく上げてヒールフックで登るなど信じられないムーブで超えていく。落ち口直下も、支点もなくホールドも無い中で、冷静に一歩一歩着実に進んで行く姿は頼もしい。ここをリードできるメンタルはすごい。強い男で尊敬する。
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雄滝の2ピッチ目をセカンドで登るが、出だしのトラバースで思いっきり滑落してしまう。左足が岩に挟まったまま右足がスリップしてしまったので、前のめりになったまま落ちてしまう。セカンドなので滑落距離は短く怪我はなかったが、テンションは下がってしまう。落ち口近くの上部もスタンスも乏しくツルツルで、足に立ち込めている自信がなく、またもやユマーリングで通過する。自分の沢靴はフェルトだが、今回はラバーの方がよさそうだった。金たわしも必携なので、来期は揃えたい。
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楊梅の滝を超えると、獅子岩に着く。岸壁の上部に獅子に見える岩があるので獅子岩。3ピッチあるが、ルートを選べば簡単。沢靴からクライミングシューズに履き替えたので、フリクションが全然違うので快適だ。ここはリードさせてもらい、3ピットのところを2ピッチで超える。獅子岩の頭に着くと琵琶湖が一望でき壮大な景色を楽しめる。このあたりから雨が降ってきたが、アプローチが短いので、森林の傘の下ほとんど濡れずに下山することができた。
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今回初めての、大滝登攀を経験した。今まで大滝は登れないので巻くものと思っていたが、最近の会の記録を見て興味があった。実際登ってみて、難しさを知った反面、全く手が出ないとは思わなかった。これからもトレーニングを積んで挑戦して行きたいと思う。新たな山の楽しみ方を教えてくれたOKDさん、岩瀬たさんに感謝します。