川浦渓谷 本流 海ノ溝洞 沢登り

山行日
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山域、ルート
川浦渓谷 本流 海ノ溝洞
活動内容
沢登り
メンバー
岩瀬た、ダイさん

川浦渓谷 本流 海ノ溝洞 沢登りの山行記録

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こんにちは、岩瀬た、です。

泳ぎ沢の練習をするべく、川浦渓谷にダイさんに付き合ってもらい行ってきました。

前日まで東北や北陸で大雨災害がおきており、水の力をニュースで見つつ、奥美濃は多少雨は降りながらもどうにか天気がもったので、1日目は川裏渓谷本流、2日目は海ノ溝洞とする。

結果としては、1日目の本流は核心部手前の幅広滝の水量多く諦めて、2日目は海ノ溝洞のF2を登ってから引き返し、気持ちを切り替えて本流のリベンジ。70mゴルジュを乗り切って疲れたので脱渓し、上流までは抜けなかったという感じでした。

以下、遡行記録です。


装備

フローティングロープ25m
ロープ30m
カム#0.1から#1
ハーケン
ライフジャケット

行程概要

8/6 小雨後晴れ

8:40 バイオトイレ駐車地 出発
9:00 板取川キャンプ場 入渓
13:00 幅広滝斜め懸垂支点箇所 脱出,巻き開始
15:00 川浦2号橋 水浴び
16:00 駐車地

8/7 晴れ

8:00 川浦1号橋近くの林道通行止め箇所 出発
8:05 入渓
8:30 海ノ溝洞 入口
9:00 F2
10:00 引き返し
10:50 本流 斜め懸垂支点
11:20 50mゴルジュ入口
11:30 70mゴルジュ入口
14:30 ゴルジュ突破地点 休憩
15:00 川浦2号橋
15:30 駐車地

行程詳細

8月6日

久しぶりに会うダイさんと最近どんな感じか喋りつつ雨降る高速道路を一路岐阜へ。BGMはご機嫌なヒップホップミュージック。外車にエミネム。
高速出口のコンビニで車中泊。

駐車地で準備して出発。
入渓は板取川キャンプ場からにした。僕は初めて行く場所のスタート地点は安定したところが好きだ。さぁ始めるぞって感じがする。
入渓点に向かう道中、そういえばダイさんと沢に行くのは初めてだったということに気づく。何回も一緒にいってるような気がしてた。そういえば一緒に山(今回は沢だけど)に行くのは昨年末の石尊稜以来だ。わお。
ダイさんは川浦渓谷本流に一度来たことがある。

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キャンプ場から入渓

人のチラホラ見えるキャンプ場から入渓し、しばし泳ぐ。
泳ぎがなかなか捗らないダイさんの「こんなに流れきつなかったで。」とブツブツ言うのを聞きつつ進む。
岸についてるコケを見ると、おおよそ20cmくらいの増水のよう。

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ダイブ!

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ダイブダイブ!

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トラバースも交えて

海ノ溝の入り口は濁った水が渦を巻いていて、明日にはマシになってたら良いなと思いながら通り過ぎて本流を進む。

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明日は行けたら良いな

懸垂支点が打ってある岩棚で休憩しつつ、流れに逆らって進まないといけない滝の落口を見る。
壺は真っ白な濁流だ。

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ちょっと辞めとこうかな

何回も瞬きをしたり首を左右に傾けたりしたけど、進める感じがしなかったので遡行打ち切り。残念だ。

さて脱出。
進めなくなったのは残念だけど、脱出というシチュエーションに淡い憧れがあったのでこれはこれで少し気持ちも上がる。
ボロいルンゼを登攀して藪に突っ込み、合計3ピッチでようやく安定した尾根に出て、そこからトンネル口を目指してトラバース。

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ルンゼを登って

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やぶ漕いで

ヒルはまだしもマダニに着かれたら嫌だなぁと思いつつ藪を漕ぎ15mを5回の懸垂下降でちょうどトンネルの上に通ずるルンゼに出て、汗びっしょりだったのでロープをフィックスしてルンゼを下って沢に入ってクールダウン。気持ち良い!

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暑かったので気持ち良い

途中から僕も遡行は結構諦めてたので、無事に戻れて良かったと思いながら1日目終了。
ちなみに、わざわざ脱出路を行かずとも、少し下降したら楽に林道に上がれる。

郡上市の台湾料理屋さんで夜ご飯を食べて、スーパーで酒を買って、板取川温泉の道の駅で野宿。机と椅子と屋根があって、気温も丁度良くて快適だった。

8月7日

8時に川浦1号橋の近くの通行止めのところに駐車して、今日は橋のたもとから入渓。傾斜の緩いところを歩いて、最後は7、8mくらいの懸垂下降。
入渓して、昨日より水量は落ち着いていたのでひとまず海ノ溝に向かう。
入口の滝は左岸から越えて、さぁ始まりだ。

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始まるぜ!

F2、ダイさんが滝右側からいってる記録を見たと言うことだったので、フローティングロープをつけて右岸をヘツってから左岸に向けてダイブする作戦にする。
激流に突っ込むようなものだったので緊張したけれど、手を上げたらロープを引っ張ってらう決め事をし、ダイさんを信用してトライ。
なんか足場がある感じがするなぁと思いつつあと少しでどうにかなるんじゃないかと思った3回目のトライで、左足が下降水流に捕まったと思った瞬間に身体ごとひきずり込まれたので、必死の思いで手を上げながら沈む。
その時、やはり必死な時は自動的にゾーンに入るものなのか、ゴーグルごしの視界の端っこで、ダイさんがツルッと滑って水に落ちるのが見えた。
あまりにマンガチックだったので、
「今ここで、それはあかんやつー!」
と思わずニヤッとしながらどうすることもできなかったが、意外とスッと流れから逃げることができ、そうなると次はダイさんのことが心配になる。ダイさんが立ってた場所の少し下も岩だらけで流れが早い場所だった。
僕自身流されるままロープを引っ張り続けて、ダイさんも無事だったことがわかってホッと一安心。
やれやれ、もう辞めとこかなと思いつつしばし休憩して、そういえば左岸ばっかり試してたけど、右岸は試してないなぁということで、ダメ押しでもう一度右岸をそのままヘツる作戦に変更して再トライ。
そしたらなんと、2回目のトライでどうにか滝上に乗り上がることができた。
とはいえ、やばい水圧の中を慎重に良いところまで行かないといけなくて、やっと良いところに着いた時にはロープがギリギリの長さ。
おぉセーフと思いつつ、ハーケン2枚打ってセルフビレイ。
空身で来てたので、荷上げに取り掛かるけれど自分の場所が悪いのと水圧が強すぎるのとで引き上げられない。
引っ張るザックが重すぎて、とりあえずハーケンにザックの荷重移そうとクローブヒッチで固定すると、ハーケンが岩ごと剥がれた。ロープを介してザックは自分と繋がっていたので、やべえと思って渾身の力でザックが流れるのを止める。あろうことか手元でロープが絡まってしまって、流されるザックをひっぱったりしながらどうにか絡まりをほどいてとりあえず荷物を流れに任せると、下の滝まで行ってしまって、また動かなくなる。全力で引っ張る。
もう腕ちぎれそうなんやけどどうしようかなと思ってきたタイミングでダイさんが荷物を回収してくれてことなきを得ました。
こんな調子じゃこの先無理だろうってことで引き返して、本流のリベンジに切り替える。

昨日諦めた滝は水位が下がっていてどうにかなりそう。
よっしゃと懸垂下降して滝の落口へ。

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昨日よりは水量減っている

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斜め懸垂というか、懸垂して段沿いに降りる感じ。

ムム、水位が下がったといえどもまだ結構水圧あるなと思いながら、ギリギリのところに良い足場があり、壁沿いに思い切って泳げばいけそうだったので頑張って泳いで無事に通過する。
良いところにクラックがあったのでカムをキメて一旦落ち着く。
さてダイさんの番だが、ダイさんは出発直後にズルズル滑って流心の方に引き寄せられた。どうにか立ってるけど諦めモード。
「ロープ切り離すわ!」と割とあっさりと諦めロープを外したけど、すぐ後ろは釜で、まぁ落ちても大丈夫だろうということで僕も出発したけど、できれば落ちるのは避けたい。
まだ諦めるのは早いやんということで、壁沿いに進めば絶対いけると説得して、もう一度ロープをつけてもらい、慎重に進んで無事に合流できた。

いやぁ良かったと喜びつつ、50mのゴルジュはダイさんに先行してもらい、僕は引っ張ってもらう。快適!

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ダイさんに先行してもらう

そして次の70mゴルジュ。
ゴルジュはなんか若干波打っていて、どうにか抜けられればと思いながら必死で泳いで進むけれど、わずかにゴルジュがすぼまっているところの流れが早くて突破できない。
左岸の棚に上がって何度かダイブして試みるも無理だったので一旦引き返して作戦会議。
ダイさんが以前来た時はトップは左岸の棚を少しトラバースしたハズということで、「えぇあそこ行くの」と思いながらトライしてみる。
タワシでスタンスをこすってハイステップからのマントル返しワンムーブで上がったものの出した手がヌメヌメでゼロフリクション。バランシーになりつつどうにかマントルを返しきって棚に立つ。
やったぜと思いながら少し進んで、段を降りないといけないところで少し困ったが、残置のハーケンがあったのでそれにスリングを引っ掛けて手がかりにして降りる。残地ハーケン様様だ。
良いクラックがあるところでビレイ。

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クラックでビレイ

ダイさんは引っ張り泳ぎで突破(僕から見える位置に来た頃にはダイさんは全く泳いでおらず、ただ引っ張られるに任せた体制だった。見えるところまでは必死で泳いだらしいが、僕はいまだに疑っている!!!)してもらい、合流。

その次のピッチも同じように僕は棚をトラバースで進んで、また良いクラックがあるところでビレイ。

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天気良し!

棚のトラバースはちょいちょい悪かったけれど、落ちても出だしまで流されるだけだったので気は楽だ。
このピッチはダイさんにも棚に上がってきてもらわねばならず、うまく上がってこれるかなと心配したけれど、慎重にヌメるスラブを上がってきて、無事に合流。流石。ホッと一安心。

さぁ、ついにゴルジュ出口。
目の前には白濁した釜を挟んでゆったりできる場所が見えている。
段を降りて激流の真横を通っていかねばならない。
ここにも残地ハーケンが打ってあって、同じような人いるんだなと思いながらありがたく使わせてもらう。
捨て縄要らないだろうと車に置いてきたが、痛恨のミス判断。ダイさんのプルージックコードを犠牲にして懸垂下降。ダイさんありがとうございます。

何箇所かプロテクションを取って手がかりにしつつ、懸垂下降したロープをプロテクションにかけながら進んでようやっと出口を通過する。はぁ緊張した。

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落ちたくない

ダイさんも無事に通過して、岩棚の上でゆっくり休憩。70m進むのに実に3時間もかかった。

もうお腹いっぱいだったので、岩棚から左岸の木登りをして林道に出て遡行終了としました。
やれやれ疲れた。

同じく川浦渓谷本流にトライしに来たという楽しげなパーティが橋の上で声をかけてくれて、ワイワイ喋ったりしました。ありがとうございました!

しばし歩いて駐車地へ。
下山完了。


今回はやはり前日までの雨の影響を甘く見ていたということに尽きます。
本流も海ノ溝も途中で終わってしまったので、また1週間くらい晴れが続いたらリトライしたいなと思います。

やりきらなかったのは残念だったけど、泳ぎもヘツリもめちゃめちゃ良い練習になったので、それはすごく良かったです。次はもっと綺麗な川浦渓谷を楽しみたいなと思います。

ダイさんお付き合いいただきありがとうございました!!!