John Muir Trail トレッキング

山行日
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山域、ルート
John Muir Trail
活動内容
トレッキング
メンバー

John Muir Trail トレッキングの山行記録

こんにちは。林です。

2022年3月に仕事を退職して、7月からアメリカントリップに行ってきた。
アメリカでは、ヨセミテのクライミング、ロングトレイル(ジョンミューアトレイル:以下JMT)、マウントレーニアの雪山登山、グランドティトンのアルパインクライミングを行った。

その中で、JMTについてまとめていきたいと思う。

JMT(ジョンミューアトレイル)は、ロングトレイルの名前である。
人によってロングトレイルという言葉には差があるかもしれないが、このトレイルは211mile(およそ340km)の道のりを5つの国立公園をまたぎながら歩くことになる。

ちなみにジョンミューアは人の名前である。彼は、1870年代のアメリカゴールドラッシュでシエラ山脈を含む自然が森林伐採・ダム建設が進む中、その大自然を守ろうと真っ向から戦った「自然保護の父」と言われる人物である。ジョンミューアがいなければ、シエラの大自然も、ヨセミテもなかったかもしれない。トレイルの名前は、そんな自然保護の立役者であるジョンミューアの名前をとって、その名がついた。
John Muir Trail トレッキング

概要

7月1日~6日  成田→ロサンゼルス、サンフランシスコ観光、買い出し
7月7日~12日 ヨセミテ、散策、ハーフドーム登山
7月13日    JMTスタート
7月21日    Muir Trail Raunch(Half Mile)
8月4日    Whitney Portal

装備

for Walk

シューズ(アルトラtimp3)
トレッキングポール

for Pack

ザック70L(グレゴリーバルトロ)
ザックカバー

Cloth

レインウェア(上のみ)
シャツ2枚
トレッキングパンツ Long1枚 Short2枚
ソックス3枚
パンツ3枚
帽子1個

Shelter & Sleep

テント(シックスムーンデザイン)
エアマット(サーマレスト)
シュラフ(NANGA)
グランドシート なし

Cooking & Water

ストーブ(Soto)
ガス缶
クッカー(Sea to Sumitt)
カトラリー(箸、スプーン)
ライター
ベアキャニスター(Bear Vault BV500)
水筒(飲み口付きのSmart Water0.7L)
運搬用水筒(プラティパス2L)
浄水器(Be Free)
食料、行動食

Et cetera

時計
ライト
ナイフ
トイレセット
気温計付き簡易コンパス
細引き
手ぬぐい
マップ
モスキートネット
サコッシュ
財布防虫剤(DEET40%以上)
日焼け止め
エマージェンシーキット
許可証
スマホ
iPad、iPencil
GoPro

山行記録

コロナの影響で、なかなか海外に行くことができず、3年越しに計画を実行することとなった。
日に日に思いは募るというが、ここまで一つのことに恋焦がれたのは高校時代の恋愛に匹敵すると思う。その強い思いのあまり、記録が長くなった。
だらだとした記録なので、内容よりも写真だけでも見ていただきたい。

アメリカに到着して、サンフランシスコのスーパーや、アウトドアショップで買い出しを済ませた後、大陸縦断鉄道(アムトラック)とバス(YARTS)でヨセミテ入りした。
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人生初のヨセミテは、スケールのでかさに驚愕した。 エルキャピタン、ハーフドームはもちろん深くえぐれた渓谷はとてつもない岩壁をいくつも作り出しており、クライミングの聖地と言われる所以がわかる。
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しばらく、一人でヨセミテに滞在したのちにJMTへスタートすることとなったが、そのヨセミテで過ごした時間も多くのトレイルを歩いて、ハイカーやパークレンジャーと話しをして充実した日々を過ごすことができた。
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野鳥の鳴き声で毎日がはじまる。ピリッとした寒さだが、沸かしたお湯でオートミール、ココアを作り身体を温めつつ、1日の行程をなんとなく考える。近くには朝食を狙うリスが、走り回る。昼間はトレイルを歩いたり、だらだら寝て過ごす。夕刻になると朱色の光線でヨセミテバレーが照らされ、一面が光に包まれる。陽が長いカリフォルニアでは、その光景は20時頃まで楽しめる。陽が落ち始めると、空は一気に暗闇となる。
ただ、乾燥した土地には雲がほとんどかからず、空は一面の星で包まれる。
すんだ空気の中飲むチープなウイスキーは格別だった。

ほぼ毎日、そんな日々を過ごした。
ほとんど電波は通じず、大好きなユーチューブやアマプラも見られないけど、何もないこと、ありのままの環境に身を投じられることの幸せを感じた。
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気を取り直してJMTの話に戻る。

JMTは、ヨセミテのハッピーアイルという場所を起点に、マウントホイットニーというアメリカの富士山的な山が最終目的地となる。

JMTのおすすめ行程として、21日で抜けることを記載されているが、人によってまばらかと思う。ぼくらは、途中の街に食料調達や観光目的で降りたり、現地にいる会友と合流をする予定もあって、23日をかけて歩いてきた。

毎日、手持ちのiPadに日記を書いていたため、そこから抜粋して記録を書いていく。

2022.07.13 JMT1 ハッピーアイルズ~リトルヨセミテバレー(5mile≒8km)

日本から14日遅れで到着したパートナーとヨセミテで合流し、ぼくらのJMTは始まった。ウィルダネスセンターで許可証を取得し、ハッピーアイルを出発し、今日のテン泊地(リトルヨセミテバレー)に向かう。
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2022.07.14 JMT2 リトルヨセミテバレーからサンライズ (8.2mile≒13km)

樹林帯を抜けると山火事で立ち枯れした木々が立ち並ぶ。近くには小川が流れており、そこを中心に草木が再生しており、自然に戻ろうとする底力を感じる。
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サンライズは楽園のような大草原が広がっており、リスやプレーリードックがお出迎え。
テン泊地に到着すると、すでに老夫婦がくつろいでおり、軽めにあいさつをして少し離れた場所にテントを張ろうとすると、あたしたちの見えないところに行け。私たちは静かにすごしたいんだ。と言われた。
別に邪魔をしたわけではないが、テントをたたんで、見えない位置まで移動して再度設営。アメリカの洗礼を受けた。笑

2022.07.15  JMT3 サンライズからライエルキャニオン(28mile≒44.8km)

サンライズという地名が付くのも納得できるように稜線の彼方から朝日が昇るのをココアを飲みながら眺めて、この日はスタート。
途中、コロンビアフィンガーという中2ぐらい尖った岩山を横目に歩いていると、眼鏡のフレームが折れたが、これも一興。テーピングで補強して問題なく使用できた。この後、一回も補修することなく歩ききって帰国するまで使用できたことには自分でも驚いた。
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前日とは打って変わって狂ったように歩いた。フルマラソンレベル。
トゥオルミメドウという場所の前後4mileはキャンプが禁止のため、距離をかせごうと思い、足を延ばす決断をしたが、終わってから考えると、もっとゆっくり歩けばよかった。
また、当てにしていたストアも閉まっており、意地でもコーラを飲みたくて歩き回った結果、すさまじい距離を歩くことになった。当然、すさまじい疲労感だった。
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2022.07.16 JMT4 ライエルキャニオンからシャドウレイク(10.7mile≒12.6km)

ライエルキャニオンの渓谷を詰めていくと、ジョンミューアトレイル最初の峠越えのドノヒューパス。この峠を越えるとヨセミテナショナルパークをでて、インヨナショナルフォレストへと移ることになる。ドノヒューパスの標高は3300mであるが、僕の知っている3000mの景色ではなかった。豊富な水を持ち、湖が形成されており、植物も咲き、とても高所とは思えない景色であった。
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サウザンドレイクアイランドレイクでも、雄大な景色に心を打たれた。
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2022.07.17 JMT5 シャドウレイクからマンモスレイク(10.7mile≒12.6km)

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早朝出発し、マンモスレイクという町にバスを使って、観光と食料調達(リサプライ)に降りた。この町は、アウトドアをする人の街と言っても過言ではないほどのアウトドアショップが点在しており、その町の雰囲気だけでも味わってみるといいと思う。
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この日、出会ったお店「Black DeBock Gallery」はハイカーであれば是非いってもらいたい。このお店は、これまでの道、これからの道で出会う景色や動物の写真を販売しているギャラリーである。
僕は、この店が気に入ってJMTを歩き終わった後に、再訪しお店で写真を数枚購入した。僕にとって、それほどに、このお店は魅力があると思えた。
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この日は、ゆっくりこの町のホステルに泊まった。
泊まったホステルは、ハイカーが集う場所で、多くのハイカーが夜な夜な情報交換して過ごしていた。
僕らも香港人ハイカーとトレイルのことや自分たちの国のことを話して有意義な時間を過ごすことができた。
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2022.07.18 JMT6 マンモスレイクからディアクリーク(6mile≒9.6km)

マンモスの街が居心地良すぎて、昼前までゆっくり過ごした。
トレイルに戻るため再度バスに乗り、目的地のデビルスポストパイルナショナルモニュメントという観光地に到着。ここは躍動感のある柱状節理の岩がみられる。
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また、ここはレッヅメドウというリゾート地も併設しており、ここで補給をして歩くハイカーも多い。
ここにはハイカーボックスがあり、ハイカーが不要となったものをおいていって、そのあとに来たハイカーがそれらをもらったりして歩くという文化がある。
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僕たちは、マンモスの街で十分に買い出しができたので、ここでは補給せず、今後出会うハイカーボックスを利用させてもらうことにした。
この日は、そんなに足を延ばさずインヨナショナルフォレストからシエラナショナルフォレストへとの変わる境目の場所にテン泊した。
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2022.07.19 JMT7 ディアクリークからスコォーレイク(14mile≒22.4km)

パープルレイク手前で、トレイル整備をするボランティアの人たちに出会った。
このトレイルは、整備が行き届いており、ごみも全くと落ちていない。
本当に「人々に愛されたトレイル」と感じるとともに、このような人のおかげで歩けていることに感謝する。
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2022.07.20 JMT8 スコォーレイクからベアクリークトレイル(15.2mile≒24.6km)

この日はバーミリオンバレーリゾート(VVR)という場所にフェリーに乗って行く予定であったが、下調べ不足で思いっきりフェリーの時刻に間に合わなかった。
フェリーの風に吹かれて、リゾートでハンバーガーとコーラを食べるという思いは一瞬にして灰と化した。無駄に歩いた往復2.2mile(3.5km)で、メンタルをやられた。
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その気持ちを引きづった状態で、そこから歩いた水場のない急登の続くトレイル(5mile≒8km)は鬼のようにしんどかった。

2022.07.21 JMT9 ベアクリークトレイルからミュアトレイルランチ(13.7mile≒21.9km)

朝起きると、浄水器の蓋が外れており、テントとシュラフ、上着がびしょ濡れになっていた。それにも気づかず寝ていた僕の鈍感力は才能だと思う。
この日は、ペースを緩める予定であったが、前日に食料調達ができなかったため、今後のことを考えると早めにリサプライポイントに向かうことにした。

途中のマリエレイクは美しすぎて、感動した。
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この日、目指した場所はミュアトレイルランチ(MTR)だ。
MTRの手前に半分の地点となる105mileがある。順調なペースで進んでいることにほっとした。
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MTRには、出発前に郵便局(post office)から食料をバケツで郵送していたため、それを回収する。MTRのスタッフに到着しているか確認すると、無事に届いていたので一安心。
バケツ開封時は、宝箱をあけるような気分だった。
日本からもってきた鯖缶やはたはた飯、パートナーには内緒で忍ばせておいたコーラを取り出す。2人で喜びのハイタッチをした。
VVRでコーラにありつけなかったため、余計にうまく感じて、脳みそスパークした。
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JMT2に続く。