葛川本流 沢登り

山行日
山域、ルート
葛川本流
活動内容
沢登り
メンバー
T口(L)、I橋(記)

葛川本流 沢登りの山行記録

沢登り 20200822 葛川本流_200827_4

赤木沢から帰神して1週間余り。
唸るような暑さに耐えきれず、泳ぎの沢へ行ってきました。

前日の夜に三宮に集合し、T口さんの愛車でいざ下北山村へ。途中スーパーの安売りを狙いつつも、下北山村の野宿スポット(通称ホテル)には日をまたぐ前に到着できた。柱と屋根しかない東屋ではあるが、蚊もおらず快適そのものである。今日ではキャンプがブームになっているようであるが、野宿もキャンプに劣らずなかなか良いものだ。次は野宿ブームとやらが来るのではなかろうか。

翌朝は4時半に起床。そそくさと朝食を済ませ、葛川本流に向けて野宿スポットを後にした。
大体40分ぐらいで葛川に到着。駐車場で準備をしているとうっすらと雷鳴が聞こえてきた。この日の午後から天気は崩れる予報だったが、朝の時点で遠くのほうに積乱雲も出ている。まだ自分が小さいとき、おじいちゃんに天気が崩れるときは川に行っちゃいけないって教えられたっけな。いやいや、これならいける。上流のほうには雲はかかっていない。遡行を速めれば天気が崩れる前にやり切れる。そう決めたのならばあとはやるしかあるまい。

沢登り 20200822 葛川本流_200827

入渓までのアプローチは10分程度だが険しくわかりずらい。駐車場の直下にある踏み跡について沢へと降りてゆく。特に下部は険しく、立木で懸垂して沢へと入った。横にはフィックスロープもあったが、懸垂するほうがアプローチしやすいだろうと思う。

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入渓してからしばらくは特に泳ぎらしいところはないが、想像以上に岩がヌルヌルで滑る。自分はフェルトで、T口さんはラバーで来ていたが、フェルトですら歯が立たずツルツル滑る。ラバーならなおさらで、T口さんの滑り方はもはや異常である。このヌルヌルには遡行を終えるまで苦しめられることとなった。

しばらく行くと大きなゴルジュが出てきた。遡行図では70mと出ていたが実際それぐらいはあるだろう。最後は流れがきつく突破が難しいという山行記録もあったが、特にそういった印象は受けなかった。しかし、増水時は遡行困難になることは素人目でもわかるような場所である。

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その後もゴルジュと河原を繰り返しながら進み、入渓から2時間ほどで半分の地点まで来た。
半分で遡行を打ち切ることも考えていたが、空には青空も見えている。せっかくここまで来たということもあり、そのまま遡行を続けることにした。

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後半も沢の渓相はあまり変わらないが、ゴルジュはより美しかった。頭上に迫る嵓の間から差し込む光とその中を静かに流れる水が何とも言えない幻想的な雰囲気を作り出す。ゴルジュの中を泳いでいくときに冒険心がくすぐられない人はいないだろう。自分はゴルジュらしいゴルジュを目にするのはこの山行が初めてであったが、今回の山行でその虜となってしまった。来夏は沢登りではなく、本格的にゴルジュ登攀やってみようか。どちらにせよ沢登りだけど。

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遡行の後半には一の滝と二の滝があるが、一の滝は登攀し、二の滝については高巻きした。

一の滝はあっさりと登り切ったが、一の滝の一つ下の小さな滝にはなかなか苦戦した。そんなもん巻けばいいだろうと思うのだが、一度取り付いたら二人ともやめられないのである。一生懸命に登れるルートを探している間に結構時間を割いてしまった。最初に決めた速攻遡行作戦はどこへ行ってしまったのだろうか。

二の滝は基部まで行って壁を触ってみたがヌルヌルしていて登れそうにない。岩質によるものなのか、それとも長年沢の水を被ってきたからか、タワシでどうこうできるヌメりではなかった。カムはおろか、ハーケンも決めれる場所は少ないだろう。ホールドは見る限り豊富で、途中ピッチを区切れそうな場所もあったが、万が一を考え今回の登攀は見送った。

登攀具についてはBDキャメロットの.75、1、2を持って行ったが使ったのは一の滝の支点構築のみである。二の滝をやるならばそれなりに登攀具は必要となるかもしれないが、二の滝を考えないのならば登攀具は最小限でいいだろう。

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二の滝を超えるとそのあとは平凡な渓相が続く。遡行終了地点へ着いたのは午後12時半頃だった。
そこから一時間弱で駐車場へ戻ることができた。途中、ほかのパーティーがデポしたと思われる車はあったが、他のパーティーに遡行中に出会うことはなかった。

泳ぎの沢ということもあり、駐車場に着くころには二人ともクタクタであった。
こんな時、本来なら交代で車を運転して神戸まで帰るのであろう。しかし自分はまだ免許もなく、往復400kmの道のりをT口さんに委ねるしかない。ほんと申し訳ないです(汗)
とはいえ、自分が替わります!などといえばお巡りさん怒られてしまうし、何もしなければ居眠り運転でこれもまた怒られてしまう。
てなわけで爆音ミュージック流しながら神戸まで帰りましたとさ。
運転していただいたT口さんほんとありがとうございました。

追記) 自分のカメラが水没してお釈迦になりました。よってT口さんの写真がほとんどないです。すいません。