白馬岳主稜 残雪期アルパインクライミング

山行日
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山域、ルート
白馬岳主稜
活動内容
残雪期アルパインクライミング
メンバー
T、M、I(記)

白馬岳主稜 残雪期アルパインクライミング 山行記録

いつかは登ってみたいと思っていた白馬岳主稜。
今回、漸く、そのチャンスが巡ってきた。
当初の予定を変更したTリーダー、M君パーティの計画に乗せて貰うことになった。
しかし、雨男実績が不動のもの?となりつつある自分が参加して、天候は大丈夫なのだろうか。
さて、結果は如何に・・・。
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4月29日(日) 快晴

予想に反し?、日本列島は、移動性高気圧に広く覆われ2日間の晴天が約束される予報となった。
自称、『日頃の行いが良い!?』というM君のおかげか(笑)
前夜、自宅を出発し、交代で運転しながら白馬村へ向かう。
白馬村で、東京からの参加となったM君を拾い猿倉へ。
幸運なことに二股から猿倉(標高1,210m)までの林道が開通していた。
準備で装備分けをしていると、100Lの大型ザックご持参のM君が、テント、共同食料、ロープ全てを持ってくれるという。
M君とのテント山行は初めてなので、「ホンマに大丈夫なのか?」と思いつつ、軟弱なおっさんは、素直にお言葉に甘えることにする(笑) M君、ありがと!!

猿倉からは、沢山付いたトレース跡を辿って登って行く。
流石にGW、人気の白馬岳あって登山者はかなり多い。快晴の太陽が眩しい。
白馬尻の大きなデブリを越えて右に折れ、大雪渓を横断し、尾根末端から取り付く。
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標高1,600m付近から急登が始まり、1,700mを越えた台地上でアイゼンを着け、ストックをピッケルに持ち替える。
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快晴は有難いのだが、異様に暑い。快晴を見越して薄着にしてきたにもかかわらず・・・。
先行者のトレースを辿り、標高1,900m付近の岩場を右から巻き、稜線に戻って雪稜の階段を黙々と登る。
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何度か休憩を挟みながら、1100ころに漸く八峰に到着。
八峰から五峰までは、所々雪が切れてシュルントが発生し、脆い岩登りも相俟って更に疲れる。
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階段状のトレースを黙々と辿り、うねる豪快な雪稜を越えて行く。
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暑さと疲れで、ヘロヘロになりながら、高度を稼ぐマシーンと化す。
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勿論、景色を楽しむ余裕もなく、いくつもの急な雪壁を淡々と登り、いつの間にやら四峰へ。
リーダーが四峰で先行者のテン場跡を見つけて、「今日は、ここまで!」と言わなければ、高度を稼ぐマシーンは、そのまま頂上まで抜けてしまうところだった(笑)
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見上げれば、最後の雪壁を登って行く何組かのパーティーが見える。ロープは使っていないようだ。
M君が、四峰と三峰のコルあたりで、良いテン場跡を見つけてくれたので、そこで荷物を下ろす。(標高2,620m)
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整地してテントを張り、中に倒れ込む。数秒で眠りにつける程の、お疲れモードであった。
Tリーダーが多忙の中、用意してくれ、M君が担ぎ上げてくれた鳥寄せ鍋が、疲れた身体に沁みる。
飲まない自分は、ついつい酒を持ってくるのを忘れたので、2人に弄られる。申し訳ございません!
M君は、Tリーダーと数回、冬山に行っている筈なのに、水の作り方、テント内の作法で色々と洗礼を浴びていた。自分もついこの間まで、そんな感じだったような(笑)
そして1900ころに眠りに着く。

コースタイム:猿倉駐車場0650~0810白馬尻0820~0835尾根末端~1100八峰1130~1145七峰~1210六峰~1330五峰~1350四峰~1410テン場

平面距離:4.84km、累積標高(登り)1,534m

4月30日(月) 晴れ

夜半過ぎに、強い北西風が、テントを叩く音で目が覚める。
天気図的には、崩れる心配がないはずだが・・・、そんなことを考えながら、再び眠りに着く。
0430ころ、M君の一声で目覚める。爆睡で約30分寝坊する。
昨日の残り具材と棒ラーメンで満腹となり、重い身体を引きずり、準備して出発する。
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本日も快晴、朝陽に照らし出された周囲の山々が美しい。
アイゼンを効かして、一歩一歩ダブルアックスを交えて高度を稼いでいく。階段状だが滑落は許されない。
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三峰へは右から急な雪稜を左上し、二峰直下で休憩を挟む。
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二峰は、直下の岩場を右から回り込んで抜ける。
最後の雪壁は、そこそこ傾斜はあるものの階段状でロープを出さずとも行けると判断し、ダブルアックスで登る。
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そして、雪壁を抜けると、そこは白馬岳の頂上だった。
少し、あっけないような気がしたが、トレースに随分助けられたからだと納得する。
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3人で固い握手を交わし、記念撮影して、のんびりと過ごす。
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風も弱く、穏やかな山頂で景色を堪能した後、下山開始。
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大雪渓を時折、颯爽と滑り降りるスキーヤーを横目に淡々と下り、2時間程で白馬尻へ。
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GW前半最終日にもかかわらず、沢山の登山者が大雪渓を登って来ていた。
白馬尻から林道のトレースを辿り、猿倉で装備を解き、約1日半の山旅を終える。
帰りは小日向の湯で汗を流し、時折、渋滞に捕まりながらも何とか日が変わらないうちに帰宅。
Tリーダー、M君、計画に乗せていただき、ありがとうございました!!そして、お疲れさまでした!!

コースタイム:テン場0640~0710三峰~0740二峰~0805白馬岳0845~0900白馬山荘0905~1100白馬尻~1150猿倉駐車場
平面距離:6.55km、累積標高(登り)360m(下り)1,752m