西穂高岳 北西尾根 残雪期クライミング

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  • I瀬、T (記)

西穂高岳 北西尾根 残雪期クライミング 山行記録

南岳西尾根を2泊3日で縦走する予定だったが、私の連休前の詰め込み過重労働による体調不良のため、代案として1泊2日で西穂高の北西尾根に変更する。現代はネットがあるため、どんなマイナーなルートでも必ず山行記録が検索できるので便利になった。

7日(土)22時、伊丹発。夜の高速をトヨタのコンパクトカーがひた走る。翌3時過ぎ、新穂高無料駐車場に到着。テントを張って仮眠していたら、ここにテントを張るなとどこからともなくおっさんが現れてまた去っていった。気色が悪いので車で寝ていたら、朝方また現れて車のナンバーを控えたから覚えておけよてなことを言われて2度びっくりする。どうやら幕営禁止らしい。看板も何も書いてはいないが・・

8日(日)GWは今日が最後らしいので人もほとんどいない。7時半出発。

林道を1時間ほど歩いて穂高平に到着そこから暫くで堰堤のある沢が現れ、その右岸が北西尾根の末端だった。早速尾根に取り付くが、シャクナゲか根曲がり竹か分からないがとにかく藪で歩きにくい。根曲がり竹を泳ぐようにかき分け、やっと2004mのポチに辿り着く。12時。ここまで結構な急登だった。

そこからはやや傾斜が緩やかになり何回か休憩を挟みながら15時過ぎ、2450付近に到着。このあたりが一番平坦で景色がよく、テントも張りやすい。

眼前に広がる抜戸岳~弓折岳~双六岳の景色に見とれながらひたすら水を作る。景色に見とれすぎて飯の準備が遅くなり気が付いたら日が暮れだしたので大急ぎで鍋を作って急いで食べる。夜半はやや寒かった。

9日(月)本日は下山日&西穂登頂日なので忙しい。夜中にシュラフが破れて中から羽毛が雪のように噴出したので焦る。25年も使っているので寿命か。

3時半起床。大急ぎでラーメンを食べて5時半出発。春なのですでに明るい。

出だしからいきなりの急登が始まる。ウォーミングアップしていないので身体に堪える。しかもなぜかザックが異様に重たい。這松帯を延々とトラバースするがアイゼンの足も縺れ、非常にパワーを吸い取られる。2時間ほどで西尾根とのJPに到着。8時。実際にはJPは踏まずに西穂高頂上へと左折した。このあたりからやたらと巨大雪庇が多くなる。ビル4階建てを横に寝かせたような配置で、雪庇の切れ目が恐ろしく手前にある。特にコル上が危ない。いつかはズドンと下に落ちるのだろうが、あんなに巨大なものが落ちたら沢筋は大変なことになりそうだ。這松帯を越え、雪庇を何とか交わしながら登るとやがて岩稜帯となり稜線が近いことを知らせる。

快適な岩稜帯であればよいが、この辺りは岩がボロボロで浮石も多い。なんとも不快な岩稜だ。途中ロープを出すか相談したりしながら結局出すことなく西穂高頂上に到達する。(9時30分)ピークを踏めたのは嬉しいが、ここまでなんとも骨の折れる尾根だった。マイナーであることも頷ける。

さて、頂上で暫くまどろんだ後、重い腰を上げて縦走&下山に取り掛かる。

一般コースで○印も付けてあるがやはりなかなかにアイゼンでは歩きにくい稜線だ。

岩が逆相でアイゼンがよく滑る。ピラミッドピーク、独標と越え、やっとほっとできる登山道になってきた。西穂山荘到着。(12時)人も少なく天気も良く、のんびりとザックに残った担ぎ上げすぎた3日分の行動食を軽量化のために食べる。

ロープウェイ駅到着13時。急いでロープウェイに飛び乗りたったの15分ほどで下界(と言っても新穂高)に降り着く。このスピード感は堪らない。あとは土産を少し買って、深山荘の露天風呂で2日間の汗を流し、連休の終わった快適な高速道路を飛ばして神戸へと戻る。

NOTES:

  • 下部はアイゼンでの藪漕ぎ、中間部は這い松藪漕ぎ&巨大雪庇(気を付けないと知らない間に乗っている)、上部は浮石の多い不安定な岩稜痩せ尾根、とあまり快適なルートではない。(これが好きだというI君のような?人もいるが)背後のパノラマのような抜戸岳の景色は圧巻。
  • 中間部~上部での滑落はアウトなので、再訪される方は六甲での完璧なアイゼン歩行練習が必須。
  • 春でも大変なので冬はもっと大変なことが記録などでもよくわかる。
  • 唯一の希望は細い稜線を頑張れば、ロープウェイというご褒美が待っていてくれること。これは沁みた。(通年)
  • 西尾根はもう少しましなのか...