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大峰 七面山 

2008年1月14日  橘(単独)

 最近、体調が思わしくなく、なかなか朝が起きられない。計画では13日の朝6時発発としていたがコタツから目覚めると既に9時を過ぎていた。今から出発では予定の楊枝の宿小屋への到着は夜も更けた9時頃になりそうだ。初めての山域でこれは無謀だ。 計画を前夜発日帰りに変え、少ない荷物で登山口から七面山を往復することにする。

 夜9時過ぎ自宅発国道309号から168号へ乗り継ぎ、宇井から篠原集落へと目指すが午前12時を回ったので明日の行動に備えて道端に車を止めて寝る。翌日は朝5時起床、6時出発と決め、久々の山の夜で、朝まで快眠する。 朝5時に目覚めるがまだあたりは真っ暗で、登山口も林道の分岐も全く分からない。仕方ないのでもう一度寝る。

 7時前起床。最奥部の篠原集落に着くと、よくこんな急斜面に家を建てれたと思われる山間の集落だ。この辺は舟の川の源流で、川魚の養殖と林業と公共工事以外には仕事はなさそうだ。国道168号から分かれてここまで1件の店も自動販売機もないが、こんな山奥の急傾地にも集落があり、人々が生活していることに感動を覚える。平坦な場所が殆どない! 登山地図ではこの先まだまだ延々と林道が続いていて、ひたすら登っていかなければ目指す登山口までたどり着けない。

 山崩れの復旧工事現場を通り過ぎ、なおも荒れた林道を車で登っていくが次第に落石の跡が多くなってきた。一度背後で土砂崩れがあればもう一巻の終わりだ。そうこうするうちに突然左後ろのタイヤがプッシューと破裂した。あ痛た!、車を降りて確認すると、タイヤが7センチほど切れている。轍の後ろにはナイフのような石が天空に向けて突き出ている。こいつが犯人か!と思う間もなく辺りを見回すと同じような落石したてのナイフのような石が皆、氷に固めれられて天空に突き出ている。

 これは大変な林道だ。登山口までスペアタイヤが何本あっても足りない。急いで応急タイヤに付け替え潔く道の良い所まで引き返すことにする。後退がまた大変で、100m程歩いてはタイヤに刺さりそうな石を蹴り倒して道をならしてから、また車に乗込み、ゆっくりと来た轍を慎重にバックする。やっとのことで方向転換を終え、広くて快適なキャンプ適地の湯の又まで戻る。(9時)

 この時点で林道歩きだけでも約3時間かかり、とても七面山まで往復は無理だ。林道にもガードレールは殆ど無く、曲がりくねった道で運転を誤れば舟の川へ車ごと転落だ。深夜にこの林道でパンクするよりはまだ朝でマシだったと自分に言い聞かす。湯の又でしばらく身の振り方を思案した後、明星ケ岳へ伸びる尾根を偵察がてら登ることにする。踏み跡はあり、赤テープも所々残っている。これなら入下山に使えそうだ。但し上部はやや迷いやすい地形のようだ。

 午後12時、決めていた下山時間になったので、尾根から引き返すことにする。暖冬の影響か、雪は少ない。午後1時過ぎ湯の又着。近所同士の新年会がある為急いで帰り、自宅到着は午後5時過ぎだった。
 
 七面山は名前の雰囲気からハイキング程度の快適な山かなと過信していたがアプローチが長く、また林道の最奥部から登るのでなかなか山が深い。最新のエアリアマップには破線の登山ルートが載っているが数年前の地図には載っていない。安易な気持ちでは登れない、熟達者向けの山だ。(特に冬は)次回に期待しよう。



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