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京都北山 ソトバ山〜廃村八丁  2006年03月19日 橘(単独)

 最近、北山ばかり行っている。アルプス的な急峻な地形はほとんどないが、豊富な雪、様々な動植物、ほっこりとした雰囲気が心地よい。
前夜午後10時家発。雨の中をスーパーに立ち寄り、R477で湯の花温泉へそこから道に迷いながらまたR477で京都の霧の中の山道を飛ばす。(実際にはブラインドの多い一車線道路でほとんど飛ばせない)
午前1時、小塩の林道到着。ビールを飲んで雨の中すぐ寝る。気温は高く、雪の気配はほとんどない。

 翌7時起床、30分後出発。林道を1時間ほど詰めて、卒塔婆山への登り口に到着。(実際には見落として40分ほどやぶを進んで戻ってくる)
雪が出てきたので、早速今回の新兵器MSRのデナリクラシック(スノーシュー)を着用する。プラスチックで出来ているのでワカンに比べるとすぐに壊れそうで気を使う。道は明瞭でほとんど地図を出す必要はない。

 また小一時間でソトバ峠に到着。あちこちで猿の鳴き声が聞こえる。鹿の足跡も多い。人間にとっては非常に寂しい峠だが獣にとっては仲間や天敵が多いので気を抜くことは出来ない。峠から西を向いてソトバ山を目指す。緩いブッシュの上り下りで吹雪いてきたら方向が定まらないだろう。念のため赤テープを3箇所につける。往復40分。今回ツエルトを忘れてきたがやはり北山といえどもツエルトは有った方がいいだろう。無しでのビバークはきつそうだ。(一度実験してみたいと思うが)

 ソトバ峠からは、ババ谷を降りて廃村八丁を目指す。所々に渡渉用に木が渡してあり、スノーシューでの通過に苦労する。次第に水量が増えてきたが左岸が荒れているので右岸に渡りたい。倒木に馬乗りで渡りかけるが中央付近で行き詰まりが予想されたので諦め、大人しく靴を脱いで裸足で渡渉する。水が冷たくて気持ちよいが雪の上まで上がると今度は足が強烈に冷えて来る。大急ぎで靴を履いて又しばらく行くとまた対岸へ渡渉しないと行けない。また脱いで、また履いて、しばらく歩くと小屋が見えてきて、それが廃村八丁だった。

 つぶれそうな大家だったが間近に来ると一角が小屋になっていて、入ることができた。「こんにちわー」一応、村の住人が住んでいることも考えて挨拶をしながら入ってみると誰もいないが鍋やコップやヤカンが綺麗に整頓されていて気持ちの良い小屋だ。時間も1時前なので中でコンロを炊かしてホットコーヒーとパンを食べる。本当に快適な小屋だ。
 窓から粉雪が舞い散るのが見える。こんな所で靴を脱いで寝転んでしまったら当分帰れそうにない。辺りの川には魚がいそうだし、山菜も取れそうだ。

 快適な小屋に未練を残しながら午後2時前出発。小屋横には温泉もあり、自由に入浴できる。しかも効能書きが書いてあり、私の持病にぴったりだ。
 時間がないので入湯は諦め、またMSRでペッタンペッタンと往きのトレースを追いながら戻っていく。これくらいのブッシュぽい地形なら山スキーよりスノーシューかワカンが有効だ。スキーはスピードが出るがいざブッシュに捕まるとその大きさと重さを持て余す。帰りはすんなりと歩いて、車には午後4時過ぎに到着。帰りはR477を避けて日吉経由で帰る。




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