槍ヶ岳 飛騨沢 スキー登山

山行日
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山域、ルート
槍ヶ岳 飛騨沢
活動内容
山スキー
メンバー
迫田 野上 金田 幸内 吉田 大塚 菊池(迫田さんの友人) 須川

槍ヶ岳 飛騨沢 スキー登山 山行記録

早朝の飛騨沢

本当に久しぶりに山に行ってきた。山スキーは今回で2回目、行く前からワクワクドキドキ。1年ぶりのアルプスだ。迫田さんは、車・食料・装備から準備まですべてしてくれる。いつもいつも有難うございます。

新穂高温泉で金田さんと合流。金田さんはホームページでよくお目にかかるが一緒に山に行くのは初めて。顔も黒く山屋の風格が出ている。

持ってきている装備もビーコン・スコップ・ゾンデ棒は3種の神器だそうで、スキーヘルメットや電池でファンが回り曇らないゴーグルなど珍しい装備をいろいろ持ってきていた。

地図も2万5千を4枚繋ぎ合わせてカラーコピーし尾根は黄色、谷は水色で色分けしてあり尾根と縦走路には100mごとに高度を記入していた。カラーでとても見やすく今度から僕もまねしよう。

笠ヶ岳をバックに飛騨乗越を目指す

新穂高温泉から見える山々は白く思っていたより雪も多そうだ。ロープウェイ乗り場から雪がありスキーシールをつけて歩けた。初めはルンルンだったが、白出沢のあたりから日頃のトレーニング不足とスキーで歩くのが慣れていないせいで右の膝の内側が痛い。体力的にもしんどくザックも重い。

途中のチビ谷は雪崩れた直後らしく、かなり大きなデブリがあった。こんな大きなデブリを見たのは初めてだ。巻き込まれたらひとたまりもないだろう。地図でコースタイム4時間半と書いていたので楽勝と舐めていた槍平に8時間もかかってやっと到着。何度かここまで歩いているが今回が一番辛く長く感じた。

普通の土日なので僕らの他に2パーティーほどいるだけで冬季小屋に入ることができた。金田さんが「朝になったら凍るからスキーとシールの雪をちゃんと落としとけよー」と教えてくれ迫田さんに借りているスキー板の雪をパパッと払って休憩していたら金田さんはまったく雪が残らないよう丁寧にスキー板の手入れをしており「僕ももっと道具を大事にしなくては」と、慌てて手入れしに行く。

小屋の中で迫田さんが用意してくれた美味しい豚汁とチラシ寿司を食べお酒と疲れでウトウトと寝てしまう。今まで酒を飲んで騒げないからと小屋に入れてもテントを張っていたが、今回小屋に泊まってみて暖かいし広いし、濡れないし最高だった。

朝3時半に起床し5時半出発、野上さんは行く前「いやー僕は槍平まで行けたら充分」と言っていたのに一人ワカンを履いて先に出発。僕らがスキーで歩いている前をグングン登っていく。飛騨沢の真ん中くらいになると雪面も固く傾斜も出てきてシールだけでは滑る。金田さんにシール走行のコツを教えてもらいながら登るが、すぐ後ろを登っていた人が滑って5mほど落ちていた。「自分も滑ったらストックだけで止まるのだろうか」等、考えていると、ビビッてしまい、スキーを脱いでアイゼンに履き替えようとするが動くとズルズルと滑り落ちてしまいそうで身動きが取れなくなってしまう。

金田さんがステップを切ってくれ後ろで支えてもらいながら何とかスキーを脱ぐことができた。スキーを担いで登るが「重いしこんな傾斜面は絶対滑れん」とデポしようとすると金田さんに「降りる頃になったら緩んどるから大丈夫や」と言われ少し進んだが結局途中でデポしてしまう。

ザックも軽くなりはるか前方の野上さんと迫田さんに追いつこうとするが、なかなかペースもあがらない。体力不足と右膝の痛みに泣きそうになりながら飛騨乗越に着いたのは野上さんが着いてから30分後。野上さん68歳、金田さん67歳、僕は27歳、ウーンなさけない・・・・・。

槍の穂先をバックに集合写真

飛騨乗越で大休止をしていると、山渓の取材で槍沢を滑るらしく、カメラマンがカメラを構えていた。7月号に載るらしく槍をバックに40度の斜面を飛ぶように降りていく姿はすごく圧巻でジェームス・ボンドのようだ。

さて、いよいよメインデッシュとみんなが滑る準備をしている間、野上さんと二人で先にデポ地点まで下っていく。誰も居ない飛騨沢で笠ヶ岳を望みつつ青空に真っ白な斜面の中にいると、まるでこの景色を僕と野上さんで独占しているようで素晴らしく雄大な気分になる。
「やっぱり山は最高だ」

デポ地点に着き準備をしていると迫田さんと菊池くんが降りてきた。菊池くんのスノーボードは、登りは真ん中で別れてスキーのように両足で歩けるスグレモノ。しかもボードの腕もすごく上手でかっこいい。僕も負けるものかと滑りだすが、すぐにコケてしまう。雪もだいぶ緩くなってきて、コケても止まるので思い切りいける。もう少し上までスキーを持って行くべきだったと後悔する。しかし誰も居ない飛騨沢をシュプールとコケ跡をつけながらすべることができ大満足。登りはヘロヘロだったが、下りは1時間ほどで槍平まで帰れた。

飛騨沢を滑る 幸内さん金田さん

調子の良かったのはこのときだけ。直滑降&キックターンくらいしか出来ない僕は、木の生えている道は難しい。全装備を背負いザックは重いし膝が痛く力が入らない。一人スキーを担ぎつぼ足で歩くが、すぐ埋まってしまいなかなか進めず、みんなをだいぶ待たせてしまう。

白出沢からは林道になり、僕でも何とかスキーで降りることが出来たが、今回は練習不足と体力不足でだいぶ迷惑をかけてしまった。

金田さんは1メートルほど雪が途切れ地面が見えているところでもちゃんとスキーを脱ぎ担いで通過する。本当に道具を大事にする人だ。学ぶところが色々ありとても勉強になった。これからもいろいろな山に一緒に行きたい。その前に僕の体力と根性と技術を伸ばさないと迷惑かけるばっかりだ。反省の多い山行でした。