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八ケ岳 大同心を行く  1997年(平成9年)11月25日 青谷 晋行

  メンバー: 青谷・山本
 青谷・山本の二人で念願の大同心へ取りつく。山本は前半、縦走に続いての登攀だ。よく続くものだとつくづく感心する。私は当日、赤岳鉱泉にて、山本と合流後、大同心稜を登り出す。天気は快晴だ。つめたい強風、アブミが舞い上がる中、凍えた手で雪落としをしながらの厳しい登攀を夢見て、と思うも、本日はとてもそんな状況にはしてくれそうもないようだ。大同心が目前に迫ってくる。緊張と興奮で体中が熱くなっている。基部からすこし下がったところで登る用意をする。

 0930、雲稜ルート1P目がスタートされた。期待していた雪はほとんどついていなく、まったくの岩登りだ。しかもボロボロで感じが悪い。ピンは適当にあるがアブミに乗る瞬間がさすがに気合いがいる。ハングを越えたところでビレイ。2P目はフェイスだがホールドは多い。ただ、丸い粒状のホールドなのでアイゼンが不安定だ。
3P目はカンテから凹角をゆくが、何せ岩がもろいので緊張させられる。4P目は山ちゃんリードでいつの間にか5Pめも行っちゃったみたいでバンドに達する。南稜の上部へとトラバースすると、頭上に核心のドームが待っている。古いハーケンにアブミのかけかえでかぶったカンテを登る。高度感満点でとても楽しい(!)。途中、細い細い残置シュリンゲにアブミをかけたり、出口が悪い。最後の1P目だが本当に充実感アリ。大同心の上で二人で感激の握手をかわす。1400、下りは大同心ルンゼを慎重に下り 、もと来た大同心稜を引き返した。次回は厳冬期にチャレンジしてみたい。



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